2024年02月06日

京都御所の「 左近の桜・右近の橘 」。

京都御所の左近の桜by二へドン
写真は、2016年04月09日(土)に京都御所の紫宸殿前で撮影したものです。
世界大百科事典11巻には、「 左近の桜・右近の橘 」について、こう説明しています。
「 平安宮内裏の紫宸殿( 南殿ともいう )の前庭に植えられている桜とタチバナ。
  左近・右近は左近衛府・右近衛府の略称。左近は紫宸殿の東方に、右近は西方に陣を
  敷くが、ちょうどその陣頭の辺に植えられているのでこの名がある。
  平安時代末期にできた『 古事談 』に、南殿の桜はもと梅であって、794年の平安
  遷都のとき桓武天皇によって植えられたが、960年の内裏焼亡の際に消失し、内裏新造
  のとき、梅に代えて重明親王の家の桜を植えたものであり、タチバナは平安遷都以前、
  そこに住んでいた橘大夫という人の家に生えていたものである。

なるほど。大勢の人が並ぶ時に、「 先頭は此処だよ~。」と言う目印代わりに植えたもの
なんですね。旗だと、その都度、出したり仕舞ったりしなければならないけど、木なら放っ
ておけば良いし、花が咲いたら綺麗だし。
 ここで注目したい事は、梅が桜に変わったと言う事ですね。奈良時代から、平安時代初期
に掛けては、日本は大陸の影響を強く受けていました。都の造営も中国の唐を模していまし
た。その頃に、唐文化の象徴である梅も日本に伝わり、梅を邸の庭木として植えることは、
権力、財力、家柄の象徴として、皇族。大貴族の庭に梅の木が植えられる様になりました。
 しかし、次第に唐風文化から国風文化へと移り変わって行く中で、梅から桜の木が日本の
象徴と変化して行きます。 京都御所の紫宸殿の前の花を、梅の木から桜の木へと植え
替えたのは仁明( にんみょう )天皇( 在位 833年03月22日~850年05月04日 )で
す。梅から桜に変化したのは、唐風文化への依存からの脱却と見做すと、自立のシンボルみ
たいで、つい、成長した我が子を見る様な目で見てしまいます。(笑)

京都御所の右近の橘by二へドン2枚目の写真は、1枚目と同じく、2016年04月09日(土)に京都御所の紫宸殿前で撮影した
ものです。 右近の橘( うこんのたちばな )は「 天歴御記 」によれば、元々は
秦河勝( はたのかわかつ )の邸宅に植えられていたものだそうです。 内裏建造の際
に、紫宸殿があたかも邸宅の故地に相当するので、移し替えたと書かれています。
勿論、写真に写っている橘は、当時の物ではありません。
秦河勝の橘は、天徳年間( 957年~961年 )までは、存在していた様です。
その後、内裏の火事等で、度々植え替えられています。
橘を植えるのは、橘は古くは「 トキジクノカクノコノミ 」と呼ばれ、その葉は寒暖の別
無く、常に緑色に生い茂るので、長寿瑞祥の樹として珍重されたから植えたと言う理由
も有る様です。
 秦河勝。 ここで名前が出ちゃいましたね。 二へドンの大好きなネタですわ。
秦河勝は「 日本書紀 」にも名前が出て来ます。 河勝の先祖に当たる秦氏は、4世紀頃に
秦国から百済を経由して日本列島の倭国へ帰化した有力氏族です。
河勝は、聖徳太子に強い影響を与えた人で、朝廷の財政にも関わっていたと言われていま
す。 都市伝説では、この秦氏はユダヤ人であると言われておりまして、このネタが
二へドン、大好き。 好き過ぎて、青森県新郷村( 旧・戸来村 )にイエス・キリストの墓を
見に行っちゃいましたからね。 (笑)
 1枚目の写真の所で、左近の桜を、梅から桜に植え替えたのは仁明天皇と書きました。
この仁明天皇のお母さんが、橘清友の娘の橘嘉智子( 檀林皇后 )です。
偶然ですが、苗字が「 橘 」。
 二へドンは、幼少時から、「 左近の桜・右近の橘 」には慣れ親しんでいました。
雛人形の段飾りには、必ず、ミニチュアの「 左近の桜・右近の橘 」が置かれますよね。
その「 左近の桜・右近の橘 」の本物を、京都御所の紫宸殿の前で見た時には、
幼少時に、雛段飾りに羨望の眼差しを送っていた二へドンなので、感動も一入でした。

二へドンの家の庭には山桜の木が1本植えられています。 今度隣に橘の木を植えてみようか
しら。 橘の白い花は、清楚で、とても素敵ですよね。 実が食べられないのが残念ですが。

*****「 京都御所の「 左近の桜・右近の橘 」。」 ・ 完 *****



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Posted by 二へドン at 18:00│Comments(0)花&植物
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