ドンドン日記・第３章

2019年12月08日（日）
この日、キプロス島での最後の食事をしたの
がカコペトリア村に在るレストラン　
Vengeraでした。　世界最古のワインと言
われるコマンダリアワインと、キプロス1の
KEOビール（　何しろギリシャ正教会が筆
頭株主ですから！）の両方を美味しく飲んで
改めてレストランの中をじっくり眺め渡すと
とても素敵なクリスマスツリーが置いてあり
ました。　キプロスを旅行したのが12月で
すから、何処の街でもクリスマスの飾りで楽
しい雰囲気を味わえたのですが、今回のキプ
ロス滞在で1番気に入ったクリスマスツリー
がこの写真のツリーです、　白いオーナメン
トが中心で、如何にもギリシャ正教のクリス
マスツリーだと言う雰囲気に充ちています。
キリスト教の精神無しに、商業主義的な日本
のクリスマスツリーと全然違うと思いまし
た。　この白いオーナメント中心のツリーは
是非二へドンも真似してみたいと思います。
　　さて、今回の話題はキプロスの猫事情で
す。　今迄に二へドンのキプロス紀行の記事
の中で、キプロスは猫天国だよと言う事を力
説して来ました。　キプロスに行った事の有
る人なら、その目的が何であれ、猫に出くわ

す事必至です。　家で飼われている猫もいま
すし、地域猫として住民達から世話を受けて
いる猫も沢山います。　野良猫と言うよりは
本当に地域猫なんです。　誰からも虐められ
ない猫達は、初対面の観光客に頭を撫でられ
ても喉をゴロゴロ鳴らす人懐こさです。　本
当に猫の天国だったのです。　新型コロナウ
イルスが来る迄は。　
2021年01月23日にAFP通信が衝撃的な記事
を発信しました。　「　キプロスで野良猫急
増　」と言う見出しでした。　キプロスのパ
フォスと言う街の近郊に猫の救助センター
「　Tala　Monastery　Cats　」通称タラ
キャッツが有ります。　スタッフのDawn　
Foote（　ドーン・フット　）氏に依ると置
き去りにされた元飼い猫が3割程増えたと言
っています。　キプロスは小さい島ですから
天然資源に乏しく、地中海に浮かぶ観光立国
として成り立っています。　その為、外国人
の長期滞在者、留学生、二地域居住者達の割
合が多かったのです。　こういった人々がコ
ロナの影響で家を引き払い自国に戻りまし
た。　この時にキプロスにかなりの数の猫が
置き去りにされました。　昨年（　2020年
　）の一時期、キプロスは観光客の受け入れ

を開始しました。　それも束の間、コロナ感
染者の急増を受けて2021年01月10日から2
度目のロックダウン（　都市封鎖　）をキプ
ロス全土で実施しています。　キプロスで人
口を圧倒する程多くいる猫達が、今深刻な状
態に陥っています。　地域猫達が餌を貰える
場所として最高だった飲食店の休業が猫達の
境遇を悪化させました。　タラキャッツの敷
地内には現在800匹の猫がいるそうです。
多頭飼育崩壊状態なのは容易に想像が付きま
す。　キプロス政府が地域猫の不妊・去勢手
術に出している補助金は2020年で€75,000
（　約940万円　）でしたが、全く足らない
そうです。　キプロス人は皆、猫好きです。
地域猫の窮地を救う為なら、一肌も二肌も脱
ぎたいと皆考えています。　ところが、観光
立国キプロスはコロナで海外からの観光客が
来なくなった事で、人間も経済的に苦しい状
況です。　猫の餌代や動物病院の治療費を払
う余裕が無くなった事も、地域猫が野良猫に
なってしまう一因なのです。　これはキプロ
スだけに限った話ではありません。　世界中
で同じ様な事が起こっています。　不妊・去
勢手術を進めながら、今生きている仔達を生
涯幸せな状態に置ける様、願って止みません。

＊＊＊＊＊「　キプロス紀行　～　キプロスの猫事情。　」　・　完　＊＊＊＊＊