ドンドン日記・第３章

2019年12月08日（日）
聖ニコラオス教会の内部は写真撮影禁止なの
で、二へドンは虚しく教会の外壁ばかりを執
拗に撮影し続けました。　1枚目の写真は建
物の側面を見上げてみた所です。　壁は結構
ラフに塗り込められています。　黒っぽい石
が随所に嵌め込まれているのですが、美しく
モザイク模様になっている訳でも無く、勝
手気ままに嵌め込んでみたって感じです。
でも、もしかしたらこれは、オスマントルコ
を意識して、わざとここは教会では無い、納
屋ですよと言う感じに造ったのかもしれませ
ん。　二へドンの想像は果てし無く古に飛ん
で行きます。
　　さて、前回の記事で、聖ニコラオスのお
墓が南イタリアのバーリに在ると言う話を書
きました。　ところが、聖ニコラオスのお墓
は他にも複数の説が有ります。　最近では
2017年10月にトルコの南西部のアンタルヤ
県の教会の下に有るモザイクをスキャンした
所、未知の墓の存在を示唆する結果が得られ
たとニュースが流れました。　現在の教会が
建っているアンタルヤ県のデムレ地区は、
4世紀に聖ニコラオスが生まれて暮らした地
とされています。　トルコの研究者は発見さ

れた墓は聖ニコラオスの墓だと主張していま
す。　一般的に聖ニコラオスの遺骨はイタリ
アの船乗りが11世紀に盗んだと考えられて
来ました。　2009年には、聖ニコラオスの
遺骨がイタリアのバーりのサン・ニコラ聖堂
に有るとに有ると信じるトルコの考古学者等
がイタリア政府に遺骨の返還を求めました、
しかし、イタリア側が応じる事は有りません
でした。　聖人の遺体は、キリスト教の「　
聖遺物　」と見做されますので、おいそれと
は返さないでしょう。　一方、イスラム教の
トルコが、聖ニコラオスの遺骨が欲しいの
は、キリスト教の聖遺物がトルコ国内に有れ
ば、世界中からキリスト教信者が、聖遺物を
見にやって来るので、トルコは巨額の観光収
入を期待出来るからです。　二へドンに言わ
せれば、トルコは北キプロスに侵入して勝手
に北キプロス共和国を作り、挙句の果てに聖
ニコラオスの遺骨も返せだなんて、盗人猛々
しいとは、この事です。　トルコは親日国で
はありますが、道理に合わない事は駄目とハ
ッキリ言うべきだと思います。
　2枚目の写真は、聖ニコラオス教会の庇に
苔や草が生えているのに気が付いたので、
写真に撮ってみました。

3枚目の写真は、金属のノッカーの付いた教
会のドアです。　ノッカーをガンガン鳴らす
と、中から長い僧衣を着た僧が出て来るので
すかね？　二へドンは18世紀～19世紀のヨ
ーロッパの小説を好んで読んでいたので（　
「赤と黒」とか「パルムの僧院」とか。）
本物の教会を見ると物語の世界に入った様で
ゾクゾクします。
　聖ニコラウスのお墓はイタリアなのか、ト
ルコなのか、この件に関して、世界中のニコ
ラス教会の情報を発信しているウェブサイト
「　Saint Nicholas　Center　」は、「　
別の場所に有ると証明されない限り、サン・
ニコラ聖堂に有る。」との見解を崩していま
せん。　この見解を裏付ける様に、
VATICAN　NEWSに下記の様な記事が掲載
されました。　「　2018年07月07日、教
皇フランシスコはバチカンからサンニコラ聖
堂を訪れ、教会のクリプタ（　地下聖堂　）
に下り、正教会のバルソロメオス1世や中東
地域のキリスト教諸教会の総主教等が集まり
聖ニコラスの聖遺物の前で祈りを捧げていま
す。」　これは、つまり、ローマ法王自ら、
聖ニコラスの聖遺物はイタリアに有ると宣言
した様なものですね。　この問題は今後どう
なるのか、色々なニュースソースを追って行くのが楽しみです。

＊＊＊＊＊「　キプロス紀行　～　聖ニコラオスのお墓は何処に？　」　・　完　＊＊＊＊＊